ビワのいろいろな用途
ビワの果実は全体が薄い産毛に覆われ、花たくが肥厚した「偽果」(ぎか)です。偽果とは、子房ではなく、隣接組織に由来する果実状をした器官のことです。
例えばイチジクもイチジク状果と言うタイプの偽果で、リンゴやナシはナシ状果で、実は芯の部分が真の果実となっており、実は偽果なのです。
もともとビワの産地となるのは亜熱帯、温帯地域であり、年平均気温が15度以上、最低気温はマイナス5度以下にならないような場所が適しているとされています。従って日本でも千葉県より北では栽培はあまり行われていません。
さて、ビワの用途ですが、食用としての果肉は甘くて、生食でも大変美味しいのですが、缶詰などに加工されることも多くなっています。
種子が大きくて食用としては廃棄率が30%以上もあるのですが、薬効として種は珍重されており、これについては後ほどお話することにします。
生食での可食率は65~70%でバナナと同じくらいです。また、ゼリー菓子やジャム等にも利用されています。
実酒にもなっています。これは氷砂糖とホワイトリカーだけで作ることができ、ビワは酸味が少ないので、輪切りレモンを加えて漬け込む場合も多くなっています。そして果肉を使わずにビワの種子だけを使ったビワ種酒も通の間で好まれています。
薬用では「大薬王樹」とも呼ばれるように民間療薬として親しまれている存在です。更に木材としても乾燥すると非常に硬く、粘りも強いので、杖の材料や剣道の高級な木刀としても利用されています。