ビワの種類

 

西日本におけるビワの代表が「茂木・もぎ」です。茂木は江戸時代に長崎県の代官屋敷で中国商船から持ち込まれた種子を茂木町の庭にまいたことから広まったとされています。果重は小さく40~50g程度ですが、甘みが強めで酸味は控えめの美味しい味が特徴です。

 

主な産地は長崎県や鹿児島県、香川県などです。シーズンは5~6月頃です。早いものは1月頃に出荷されるのが特徴の「長崎早生・ながさきわせ」は、ハウス栽培されることが多く、普通のものより2ヶ月ほど早く店頭に出てきます。果重は 40~60g程度、糖度も比較的高く、上品なみずみずしく味わいです。

 

品種としては「茂木」と「本田早生」の交配です。植物学者である田中氏の名前がついているのが「田中」です。これは博士が長崎県のビワの種を自宅にまいたのが始まりとされ、釣り鐘形の果実で、60~80g程度と果重は茂木よりも大きめです。これも甘味が強く、酸味も適度でバランスのとれた品種です。

 

シーズンは6月頃で、愛媛県や千葉県、香川県や兵庫県などで主に栽培されています。「大房・おおぶさ」は、もともとビワ栽培が盛んな千葉県富浦町で多く生産される品種です。大きいものだと100g前後もある大玉です。比較的寒さに強いので、「ビワ栽培の北限」とされる千葉でもよく育つのです。

 

酸味が少なくて、ほんのり甘く、果汁も豊富です。果肉がソフトなのが「なつたより」です。これは長崎県果樹試験場で育成されて2009年に品種登録された新しいビワです。果重は60g前後、甘みは強めで酸味は控えめです。シーズンは5月下旬~6月上旬頃です。

 

他にも主産地は千葉県の「瑞穂・みずほ」、甘さと酸味がほどよく調和した「涼風・すずかぜ」、白く繊細な果実の「土肥・とい」などがあります。